IGR、三陸鉄道 2005年度決算

IGR初の単年度黒字 05年度決算

 IGRいわて銀河鉄道(佐藤徳兵衛社長)は19日、盛岡市盛岡駅西通2丁目の盛岡市民文化ホールで取締役会を開き、2005年度決算で02年の開業以来初の単年度黒字を計上したことを報告した。当期純利益で595万円を計上。同社は経費節減などが黒字につながったとしている。
 同社によると、輸送人員は1日当たり1万2827人で前年度比4・3%減。主に定期利用客が減少した。営業収益は36億6600万円で同3200万円増え、経常損失は1億1400万円で同400万円縮小した。累積赤字は4億3600万円。
 06年度も青山、巣子の新駅開業効果を軸に約4200万円の黒字を見込んでいるが、新駅の4月の乗降者数(概算値)は当初計画比で青山約52%、巣子約21%と厳しい状況だ。
 佐藤社長は初の単年度黒字について「経費節減効果と、企画きっぷなどの売り上げが伸びた結果」と説明する一方、新駅の開業効果については「巣子を中心に周辺整備が不十分で、しばらく時間がかかりそうだ」との見方を示した。
 任期満了に伴う役員改選で、岡本弘道副社長の退任と同氏以外の取締役8人を再選する人事を内定した。6月21日の株主総会後の取締役会で正式決定する。副社長は当面空席となる見通し。

岩手日報 2006年5月20日]


経常損失が1億2000万円 三鉄決算

 第3セクターの三陸鉄道(竹沢久嗣社長)の取締役会は19日、盛岡市の県民会館で開かれ、2005年度決算などを報告した。地元利用客の低迷が続き、乗車人員、旅客運輸収入ともに前年を下回り、経常損失は4年連続で1億円を超えた。累積赤字は7654万円。
 県外の団体旅行客は前年度より2・4%増加したものの、地元団体客は1・8%減り、全体の乗車人員は前年度比98・7%の105万6749人だった。
 経営改善計画を基に職員の削減など経費節減を図ったが、燃料軽油価格の高騰や車両の修繕などにより経常支出は前年度比98・4%にとどまった。営業収益は鉄道事業が前年度比97・4%、関連事業は同91・7%。経常損失は前年度より274万円増の1億2054万円に上った。県からの運営費補助金を加えると、当期利益は1167万円。
 同社は収支見通しの下方修正が必至となり、04年に策定した経営改善計画(04-13年度)を3月に見直し。計画期間中の資金不足額は7億8000万円から13億8000万円に膨らんだ。
 取締役会では、前県地域振興部長の山口和彦氏(59)ら新任3人を含む取締役候補者15人を選任。6月19日の定時株主総会で竹沢社長が退任し、後任に山口氏が就任する見通し。
 続いて開かれた県と沿線12市町村などで構成する市町村長等会議では、県の運営助成基金が07年度に枯渇した後の財政支援のあり方に関する報告書をまとめた。
 沿岸等市町村、県それぞれの役割で「運営費補助等応分の負担を行う」と明記。6月中旬にも会議を開き、運営費補助に相当する13億8000万円について、県や各市町村の負担割合などを協議、10月中旬の合意形成を目指す。

岩手日報 2006年5月20日]


先日、青い森鉄道の2005年度決算の話題をお伝えしましたが、赤字でした。
IGR、三陸鉄道はともに岩手県の第3セクターですが、
いずれも経営は厳しいということが伺えます。
全国的に見ても成功している第3セクターは、
都市間特急の通過点になっているもののみだといえるでしょう。