村上氏逮捕 阪急・阪神は引き続きTOB

とにかく強引だった 村上氏逮捕で阪急幹部

 「とにかく強引」。村上ファンド阪神電気鉄道株の買い取りで攻防を繰り広げた阪急ホールディングスの幹部からは5日、証券取引法違反容疑で逮捕された村上世彰容疑者を批判する声が聞かれた。阪急、阪神経営統合が確実になり、両社は歓迎するコメントを発表した。
 阪急幹部は「村上氏がやっていることを全否定するつもりはない」と、株主価値向上のために企業に経営改革を迫る手法自体は評価。
 ただ村上氏側は、ファンド関係者が阪神取締役の過半数を占める株主提案をして阪神の経営権取得もちらつかせた。この阪急幹部は「村上氏の交渉姿勢はとにかく強引だった」と不快感を隠さない。
 一方、村上氏は阪神株の公開買い付け(TOB)に応募する意向を正式表明。阪急は「TOBが成立する方向で(村上ファンドが)動くのは望ましい。引き続きTOBを継続し、阪神との経営統合を目指す」と歓迎の意向を示し、阪神も同様のコメントを出した。

共同通信 2006年6月5日]