仙台市地下鉄 全駅ホームに可動式扉

仙台市地下鉄 ホームに可動式扉 10年度まで全駅

 仙台市交通局は、市地下鉄南北線の駅ホームに、利用者の転落を防止する「ホームドア」を新設する方針を固めた。ホーム全体を金属製の柵でカバーし、乗降時は列車の扉の位置に合わせて設けた可動式ホームドアが、連動して開閉する。早ければ、2010年までに全17駅に設置される見通し。転落や飛び込みによる人身事故の解消を目指す。
 柵は高さ約1.2メートルで、厚さ35センチの金属製を予定している。近く、全体のデザインやドア部分の構造について検討を始める。
 ホームドアは停車した列車の扉位置に合わせ、一駅当たり上下線合わせて32カ所設ける。ホームドアと列車の扉の両方が閉まらないと、列車は発車できない仕組みだ。
 交通局は昨年12月、朝夕の混雑が激しい北四番丁駅で利用客の流れを検証。階段そばのホームが狭い場所に柵を設置した場合の混雑を解析した結果、「乗降に支障はない」と判断した。
 総事業費は18億円前後を見込む。秋までに来年度の補助金交付を国に申請する。事業費の25%ほどの補助が受けられる見通し。残りは市が負担する。早ければ07年度、設置調査に入る。
 地下鉄南北線では、1987年の開業以来、飛び込みや転落による死亡事故が9件起きた。今年4月以降、列車との接触による人身事故は3件発生している。既存地下鉄にホームドアを新設したケースとしては、福岡市地下鉄が05年に導入し、事故防止につながっているという。

河北新報 2006年7月13日]