東京メトロ10000系 一般公開

東京メトロ、民営化後初の新型車両「10000系」を車両基地で一般公開

東京地下鉄(東京メトロ)は9月30日、同社の新木場車両基地で「10000系車両撮影会」を開催し、9月1日より有楽町線で運行を開始している新型車両「10000系」を一般公開した。会場には10000系のほか現行の有楽町線車両「7000系」「07系」が並び、親子連れや鉄道ファンなど7,000人あまりが来場し、写真撮影や展示品を楽しんだ。
 10000系は、2004年4月に帝都高速度交通営団(営団地下鉄)が株式会社化されて以降、同社としては初めての新型車両。すでに4編成(40両)が同社有楽町線で営業運転を開始しているほか、現在建設が進められており2008年開通予定の13号線(池袋-新宿三丁目-渋谷)用の車両としても増備が進められる。東武東上線西武有楽町線池袋線への乗り入れにも対応しており、相互直通運転が可能となっている。
 既に同社東西線で運行されている「05系13次車」(2004年末以降増備車)をベースにしており、製造は同じ日立製作所。10000系は今後同社が各線で新型車両を増備する際の基本仕様となる見込みで、これからの東京メトロ車両におけるリファレンスモデルのような位置づけでもある。また、使用されているアルミニウム製の車体モジュールは、同じく日立が製造した西武鉄道「20000系」、東武鉄道「50000系」などとも基本構造が共通している。
 外観では、大胆にカーブした丸い先頭車両前面が特徴で、斬新なデザインを採用した最新車両でありながら、どことなく懐かしさも感じさせるその姿が撮影会でも注目を集めていた。前照灯と後部標識灯を組み合わせたライトは、丸の内線で1954年から1996年まで運行されていた「300系」をイメージしているほか、警笛には電子ホーンでなく空気笛式のものを採用するなど、実際にレトロ感を漂わせる演出も盛り込まれている。
 10000系では車両間の連結部にガラス扉を使用するとともに、従来車両に比べて天井を高くするなどして車内の開放感を高めたほか、東京メトロの車両としては初めて液晶画面による車内表示器を採用した。また、塩化ビニールなど燃えると毒性の高いガスを発生する素材の使用をやめ、火災対策を強化した。東京メトロでは13号線の開通までに、今回の4編成を含む計20編成(200両)を投入する予定。

MYCOMジャーナル 2006年10月2日]