仙台空港線 ワンマンか?

仙台空港アクセス鉄道 ワンマン運行が浮上 JR東計画

 2007年3月に開業する仙台空港アクセス鉄道仙台空港―JR仙台駅)について、JR東日本が車掌を乗務させない「ワンマン運転」での運行を計画していることが4日分かった。人員を抑え、コスト削減を図る考え。JRは2両連結程度のローカル線でワンマン化を進めてきたが、同鉄道は最大6両。通勤・通学路線として、朝夕は多くの利用が想定されており、安全面での懸念が指摘されそうだ。
 JR東日本宮城県第三セクター仙台空港鉄道」に出資する一方、技術面で開業準備を主導。事実上、運行システムを決定する立場にある。
 関係者によると、ワンマン運転には、仙台空港鉄道とJRが共同開発した新型車両を使用。運転士は2両に1カ所の割合でホーム上に設けるカメラの映像を運転席上の画面で確認し、ドアの開け閉めなどを行う。
 ワンマン運転仙台市地下鉄(4両)でも1987年の開業時に導入された。車両には自動運転装置があり、乗務員はホームの映像を運転席の画面で見て安全を確認している。しかしアクセス鉄道の車両に同様の自動運転装置はない。
 東北運輸局によると、ワンマン運転の実施には(1)乗降時の安全確保や異常時の避難誘導に支障がない(2)事故発生時などに周辺の列車に速やかに連絡できる(3)十分な訓練や乗客への周知―などの条件を満たすことが必要。だが、ワンマン運転自体の許認可権は国になく、最終的にはJRの判断で実施に移せるという。
 JRは8月に仙台空港アクセス鉄道ワンマン運転導入を労組に提案し、現在も協議中。「せめてホームドア(ホーム側に設置する自動ドア)がなければ運転士に重圧がかかりすぎる」などと慎重な構えの労組もある。JRの名取―長町間の乗客は1日に6000―8000人で、名取、南仙台の両駅近くには踏切がある。「ローカル線と仙台圏の路線では条件が違いすぎる」との声も出ている。
 JR東日本は「ワンマン運転について社内的に『勉強』しているのは事実だが、現段階で詳しいことは話せない」(広報部)としている。

河北新報 2006年10月5日]