燃料電池ハイブリッド鉄道車両公開

燃料電池ハイブリッド鉄道車両公開 JR東、世界初の水素型

 JR東日本は19日、開発を進めている世界初の水素を燃料とした「燃料電池ハイブリッド鉄道車両」を公開した。来年4月には営業線での試験運用を開始する計画で、クリーンな新しい動力システムの実現に向け、さらに検証を進める。
 公開した車両は、水素を燃料にした出力65キロワットの燃料電池2台とリチウムイオン蓄電池を搭載した。ディーゼル発電機とリチウムイオン蓄電池を搭載した従来のハイブリッド車両を改造。発電機を燃料電池に交換することで、環境負荷のさらなる低減を可能にした。
 現在の性能は水素270リットルで走行距離50~60キロメートル程度。「実用化には走行距離最低70キロメートルは必要」(JR東日本研究開発センター先端鉄道システム開発センターの小笠原稔所長)としており、今後さらなる効率化を図る。
 実現すれば、CO2(二酸化炭素)排出量ゼロで走行できるようになる。ただ、水素の貯蔵や製造方法、燃料電池の価格など課題は多く、実際に客を乗せて走行できるようになるまでには時間がかかりそうだ。

[フジサンケイ ビジネスアイ 2006年10月20日]