JR東日本 信号制御に新システム

JR東日本、信号制御にIP技術 世界初、管理コスト削減

 JR東日本は7日、鉄道信号の制御に、インターネットなどで使われるIP技術を使ったシステムを来春から導入すると発表した。銅線を使い、アナログ方式で制御していた信号システムを、光ケーブルによるデジタル制御に置き換える。IP技術を使った信号制御システムの導入は世界で初めて。
 JR東日本では平成16年度から、光ケーブルとIP技術を使った信号システムの開発に着手。実用化のメドが立ったことから、現場での運用試験に乗り出す。来年春をめどに、約4億円を投じてJR武蔵野線市川大野駅の鉄道信号を同システムに切り替え、運用状況などを見ながら首都圏の各駅に導入する方針。
 従来の鉄道信号は、信号機を制御する制御装置と、個々の信号機をそれぞれ銅線で結ぶ仕組みで、大量の配線が複雑に絡み合い、敷設やメンテナンスにも大きなコストがかかっていた。
 新システムでは、ケーブルの本数を大幅に減らせるほか、通常の光コネクタで機器を接続することで従来の複雑な配線なども不要となり、メンテナンス費などコスト面での削減につながる。
 また、インターネットと同様に、個々の信号機に個別の番号を割り振って特定できるため、故障の際の復旧時間が短縮できるなどのメリットもあるとしている。

産経新聞 2006年11月8日]