神岡鉄道 観光鉄道として存続へ

神岡鉄道:鉄道、残った 観光に…新たな活路--飛騨市が方針 /岐阜

 飛騨市は、今月末で廃線となる第三セクター神岡鉄道奥飛騨温泉口―猪谷間19・9キロ)を観光鉄道などとして存続させる方針を29日、正式に明らかにした。
 同市の船坂勝美市長はこれまで、今年9月の臨時議会などで「不定期の観光鉄道として存続する道を探っている」などと述べていた。28日に同市で開かれた「神岡鉄道感謝式」(市主催)の席で船坂市長は「財源のめどはついた」と語り、形を変えて存続する見通しがついたことが明らかになった。
 市関係者によると、市の方針としては、市が神岡鉄道からレールやトンネルなどの無償譲渡を受けて保有。イベント時などに走らせる観光鉄道か、第2種鉄道として1日1往復などの定期運行を行う方法を検討している。運行主体は指定管理者のような形を想定しているという。
 存続後、鉄道運営が失敗した際に生じるレールの撤去費などのリスクを解消するため、市は神岡鉄道の親会社の三井金属と交渉を重ねてきた。レールの撤去費などとして、市が三井金属から10億円前後の寄付を受け、これを積み立てて担保とする方向でほぼ合意に達したという。

毎日新聞 2006年11月30日]