神岡鉄道 来年5月に再開へ

神岡鉄道の再開準備室が始動 飛騨市、観光向けに来春目標

 昨年11月末で廃線となった飛騨市神岡町の第3セクター「神岡鉄道」の運行再開を目指し、飛騨市が10日、市神岡振興事務所内に鉄道再開準備室を設けた。桝田実担当参事ら職員3人を配属。運行再開へ始動した。
 同事務所1階の一角に机を並べて仕事場とし、準備室の名を示すプレートなどは、まだ作っていない。今後、鉄道に詳しい識者をアドバイザーに迎え、鉄道運行事業者の認可取得に向けて具体的な計画を練る。
 市は昨年12月、神岡鉄道筆頭株主三井金属から線路撤去費の担保や初期投資費用として計15億円の寄付を受け、観光鉄道として運行再開を目指す方針を発表。船坂勝美市長は「2008年5月には再開させたい」としている。
 準備室ではまず、今月下旬に予定している三井金属との寄付協定の調印準備に取りかかる。また現在の第3セクター会社の清算に向け、市が譲受を希望する資産や建物を選択。路線の安全評価や観光資源調査をする。
 来年5月に運行を再開するためには、今夏には国土交通省への認可申請が必要となりそう。鉄道を運行する新会社を設立する必要もあるが、どんな企業や団体を基盤とするかは未定だ。桝田参事は「かなり急ピッチに進めなくてはならない」と話している。

中日新聞 2007年1月11日]