白いかもめ 「絶滅危惧種」に

「白いかもめ」絶滅させるな 新幹線反対の鹿島市長 長崎線存続の象徴に

 九州新幹線西九州(長崎)ルート着工の前提条件である並行在来線(JR長崎線)の経営分離に反対している、佐賀県鹿島市桑原允彦市長は1日、定例市議会で、長崎線を走る白い車体の特急「かもめ」を動植物の絶滅危惧(きぐ)種に例えて「『白いかもめ』を絶滅させてはならない」と述べ、存続運動のシンボルにする考えを示した。
 このアイデアを桑原市長に提案した市民グループは、「白いかもめ」を掲載した「鹿島市レッドデータブック」と称する存続運動の啓発パンフレットも作製予定。市は、東京などでの要望活動に活用する方針。
 JR九州の運行案によると、博多‐長崎間の特急は経営分離後、博多から肥前鹿島までとなり、便数も5分の1以下に激減。肥前鹿島‐諫早長崎県)間は経営を引き継ぐ第3セクターが普通列車を運行する。
 所信表明で、桑原市長は「経営分離で(JR線が)第3セクター経営になった地域は、懸命な取り組みにもかかわらず衰退している」と経営分離への反対理由をあらためて説明。「『白いかもめ』を市の絶滅危惧種に指定する」と宣言した。

西日本新聞 2007年3月2日]