津山線 徐行運転解除へ向けて集会

JR津山線脱線:来月から徐行運転解除 JR西労組、安全を考える集い /岡山

◇「落石対策、抜本的に」 当時の乗客も参加
 昨年11月に脱線事故が発生した岡山市下牧のJR津山線で、来月1日に徐行運転が解除されることを受け、JR西労組岡山地方本部は16日、同市奉還町のオルガホールで「津山線の安全を考える集い」を開催した。集会には当時の乗客3人や組合員の運転士ら約200人が出席。落石が起きない抜本的対策の必要性などを訴えた。
 同線では現在、5カ所で徐行運転しているが、JR西岡山支社は落石検知網などを設置。安全が確保できたとして、7月のダイヤ改正に合わせて通常運行再開を決めた。しかし、労組側は国交省航空・鉄道事故調査委の調査報告がまだ出ておらず、落石そのものを防ぐ対処と社員への説明が不十分と主張している。
 同線では、05年2月にも、下牧から1・5キロ南の地点で土砂崩れが起こり、回送列車が突っ込む事故が発生。その際に軽傷を負った岡本広士運転士は、「利益優先の姿勢を改めなければいけない。再度同じことが起きないのか大変疑問」と不信感を示し、現在も同線での運行を担当する上本竜次運転士は、「1分1秒でも早く落石が分かれば、と斜面中腹にも検知器を設置するよう求めたが、会社は『プロがやったから信じてくれ』という態度だった。これから雨の多い季節で不安だ」と述べた。
 集会には脱線した車両の乗客3人も参加、事故当時の状況や、現在も脱線場所を通る時に不安になることなどを話した。岡山市建部町、会社員、二宮健太さん(18)は「設置された防護柵を見たが、落ちてきた岩を考えるとあれではひとたまりもない。岩が落ちてこない対策をしてほしい」と改善を求めた。

毎日新聞 2007年6月17日]