DMV 南阿蘇鉄道で走行試験へ

DMV南阿蘇鉄道、11月に走行試験 国交省が実施計画案を了承 /熊本

 国土交通省の新輸送サービス実験事業として、県の第三セクター南阿蘇鉄道(立野―高森)に、線路と道路の両方を走ることができるデュアル・モード・ビーグル(DMV)が採用された。「県DMV導入実証実験協議会」は今年11月に夜間走行試験、来年1~3月に人を乗せた試験運行をする。
 計画によると、試験に使う車両はJR北海道から借りる。道路から線路に乗り入れたり、線路から道路に出たりする場合には特殊な設備が必要で、実証実験は設置が容易な高森~中松駅間の7・2キロで実施する。
 線路を離れた後は、道路を走って白川水源や草千里などの観光地を回るルートを、3日間にわたって走らせる。試乗客120人は一般から募集。11月の走行試験では、スムーズな切り替えができるか確認する。
 DMVは、渋滞する区間では線路を走り、観光地周辺ではそのまま道路を走る「バス」となるため、利用者の利便性が向上するメリットがある一方で、線路に出入りするために特殊な施設が必要になるなどのマイナス材料もある。
 県や同鉄道は九州新幹線全面開業をにらみ、熊本を代表する観光地・阿蘇の魅力と交通の利便性を高めるためDMV導入を検討してきた。これまで国交省九州運輸局も交え協議。同省の新輸送サービスの実験事業に応募していた。

毎日新聞 2007年8月29日]