仙台空港アクセス鉄道 開業半年

仙台空港アクセス鉄道:開業半年、利用予想2400人下回る /宮城

◇1日当たり7600人、沿線住民取り込めず
 仙台空港とJR名取駅を結ぶ「仙台空港アクセス鉄道」(約7・1キロ)が18日で開業半年を迎えた。1日当たりの利用者数は当初予想の1万人を2400人下回る7600人にとどまっている。県や仙台市、JRなどが出資した仙台空港鉄道は利用実績低迷の要因について「沿線にある既存集落の居住者を思ったよりも取り込めていない」と分析。途中駅周辺に駐車場を整備して「パークアンドライド」を促進するなどの対策を検討している。
 同社のまとめによると、アクセス鉄道が開業した3月18日から今月17日までの利用者数は139万4700人。開業直後の3月は鉄道ファンなどの利用も多く、1日の利用者は1万1500人で1万人を突破。しかし、その後伸び悩んでいる。
 駅別の1日平均の利用者数は▽仙台空港3870人▽美田園駅170人▽杜せきのした駅3550人。同社は当初、空港利用客(1日当たり約9000人)の約45%に当たる4200人が利用すると予測しており、「空港利用客の取り込みはほぼ計画通り」とする。
 一方、沿線から仙台や名取市中心部に通勤、通学する居住者の利用が伸び悩んでいると分析。集落とアクセス鉄道の駅を結ぶ公共交通機関が無いことが一因として、集落とアクセス鉄道の駅を結ぶ市バス路線を新設できないか行政側と相談しているほか、自宅から最寄り駅までマイカー通勤する「パークアンドライド」を促すため途中駅周辺の商業施設と交渉し駐車場を借りることなどを検討している。
 需要が当初予測を下回ったことについて村井嘉浩知事は18日の定例会見で、「まだ沿線に住宅が張り付いていないし、今後、香港便が再開されれば需要は見込める。今が底の状態でそれほど心配はしていない」と楽観的な見通しを示した。

毎日新聞 2007年9月19日]