近鉄特急 09年春に喫煙ルーム導入

<喫煙ルーム>近鉄特急に来春導入 関西の大手私鉄では初

 近畿日本鉄道は、特急に、全席を禁煙とする代わりに喫煙ルームを設置した新型車両を導入することを決めた。阪神なんば線西大阪延伸線、尼崎-難波)が開通し、阪神電鉄との相互乗り入れが始まる09年春に投入する。関西の大手私鉄では初の試みで、「全面禁煙」に踏み切る鉄道会社が多い中、喫煙者への一定の配慮を続け、「分煙」を徹底する。
 近鉄の特急には現在、「禁煙」と「喫煙」の車両があり、一部では車両間のデッキに灰皿を設置。しかし、乗客の通行の際などに、喫煙車両やデッキからタバコの煙が禁煙車両に流れ込み、非喫煙者受動喫煙を防ぐのが難しかった。
 このため、近鉄は、車両を改造して喫煙ルームを設置、扉で仕切って煙が外に流れないようにする。導入路線は未定だが、当面は既存の特急と並存し、利用客の反応を見たい考えだ。
 同様の車両は、JR東海・西日本が新幹線のぞみの「N700系」に導入。JR西は今後、在来線の特急でも喫煙ルーム以外はすべて禁煙の車両を順次導入する予定だ。一方、大手私鉄の特急で現在、車内の座席で喫煙できる車両があるのはほかに、南海電気鉄道京成電鉄だけ。小田急電鉄の「ロマンスカー」も一部車両で喫煙ルームを設置していたが、07年3月から全面禁煙とした。

毎日新聞 2008年1月6日]