山手線 落雷で3時間ストップ

<落雷>山手線全線3時間ストップ、各地で停電相次ぐ

 日本上空に寒気が流れ込んで大気が不安定になり、東日本の広い範囲で12日、雷を伴う激しい雨が降った。JR山手線が3時間余にわたり全線で運転を見合わせるなど計14万4500人に影響が出たほか、各地で停電が相次いだ。
 JR東日本によると、午後2時半ごろ、東京都千代田区外神田1の線路近くに設置した電力設備(高さ約1メートル)に落雷があり、神田(千代田区鍛冶町)―上野(台東区上野)駅間の送電がストップ。同5時48分まで3時間以上、全線で運転を見合わせた。落雷直後に外回り電車が鶯谷駅(同区根岸)―上野間で立ち往生。約400人が1時間半近く閉じ込められた。
 並行して走る京浜東北線南行きも、停電で午後2時40分から約50分間全線が運休。さらに雨でJR中央線の大月(山梨県大月市)―甲斐大和(同大和村)駅間、JR外房線の上総一ノ宮(千葉県一宮町)―勝浦(同勝浦市)駅間が各約2時間運休し、小田急電鉄の特急ロマンスカーも夕方から運転を見合わせた。
 上野駅のホームはお土産など大きな荷物を抱えた帰省客でごった返した。売店の女性によると落雷時「バリバリ、ドーン」と大きな音がしたという。葛飾区亀有の小学3年、上村瞬君(8)と同4年でいとこの玄間佳純(げんまかすみ)さん(9)は、待ちくたびれて座り込み「電車いつ来るの」などと話していた。
 停電も相次ぎ、東京電力などによると、東京都西東京市、千葉県木更津市静岡県富士市茨城県稲敷市新潟市、長野県伊那市などの5万戸以上で停電した。新潟県では、落雷が原因とみられる火災で聖籠町大宝寺が全焼。柏崎市の海水浴場では海の家のトタン屋根が突風で飛び、中にいた男女4人が軽いけがをした。
 また、12日に予定されていた「東京湾大華火祭」は13日、「とりで利根川大花火」は14日に順延された。

毎日新聞 2006年8月13日]