京葉線 東京駅でボヤ

京葉線トラブル 出勤ラッシュを直撃…利用客から怒りの声

 28日早朝にJR東京駅地下構内で発生した火災が、朝の出勤ラッシュを直撃した。ボヤ程度の火災の影響で、千葉県湾岸部と都心をつなぐ京葉線は全線で一時不通となり、通勤通学の足を奪った。相次ぐ運行トラブルに利用客からは怒りの声が上がった。

新浦安駅
 新興マンション街がある千葉県浦安市の同線新浦安駅は、大勢の通勤客や通学生らで大混雑となった。改札口には駅員が数人立ち、「再開のめどは午前中いっぱい立っていません」と案内し、振り替え輸送券や遅延証明の配布作業に追われた。
 同駅南側のバスターミナルは、約3キロ離れた地下鉄東西線浦安駅へ向かう人で長蛇の列。午前9時半には、駅構内を貫き駅北まで約700メートルに達した。1時間半待ってようやくバスに乗れた私立大2年、横矢絢加(あやか)さん(20)は「9時からの1時間目はもう無理。何時になったら着けるのやら」とあきれた様子だった。
 京葉線舞浜駅浦安市)が最寄り駅となる東京ディズニーランドでも出勤が遅れる職員もいた。午前9時から通常通り営業したが、普段の平日より客は少なめという。

■臨海部各駅
 東京への通勤通学客がが多い千葉市臨海部の各駅でも混乱が続いた。同市美浜区稲毛海岸駅ラッシュアワーの午前7~8時、改札前で利用客数百人が立ち往生した。
 夏休み明け初日の講義のため東京都内の大学に向かう男子大学生(21)は「張り切っていたのに、出鼻をくじかれた」。都内の会社に通勤する男性(36)は「始発から4時間近くたつのに、いまだに回復しないとは」と不満顔。
 また、同区内の海浜幕張駅でも改札前が電光掲示板に見入る通勤客らであふれた。東京ディズニーランド観光のため幕張のホテルに泊まっていた名古屋市のアルバイト、安田有希さん(20)は「せっかく来たので多少時間がかかっても見に行こうと思います」とタクシー乗り場に向かった。

■地下鉄にも余波
 浦安市東京メトロ東西線浦安駅は午前7時半ごろから、JR京葉線に乗れずに移動してきた多数の乗客でごったがえした。駅ロータリーや駅近くの道路にも乗客があふれる状態。東京メトロは周辺の駅から急きょ駅員40人を集め、乗客の整理に当たったが、同10時過ぎになっても混雑は解消されなかった。
 東西線に乗り入れている東葉高速鉄道で同駅に着いた無職、吉井好さん(65)は「駅のホームから改札口に出るまで35分もかかった。友人と待ち合わせしているが、合流できそうにない」と不安そうだった。

■東京駅
 JR東京駅では、京葉線利用客がホームなどで足止めされた。説明に当たるJR社員に、「一体いつになったら動き出すんだ」と声を荒らげる利用客も。千葉市にある神田外語大学に通う女子学生(19)は「午前11時からの授業に間に合わなくなった。とりあえず電車が動くまで待ちます」と肩を落としていた。

毎日新聞 2006年9月28日]