神岡鉄道 廃止まで1ヶ月

神岡鉄道、HPの一部を閉鎖 廃線まで1カ月

 飛騨市神岡町の第3セクター「神岡鉄道」が1日で、廃線まで残り1カ月となった。31日には一足早く、同鉄道のホームページ内の「かみてつBBS掲示板」「グッズ販売ページ」「みんなのフォトギャラリー」など5コーナーを閉鎖。掲示板には「あと1カ月かと思うと、切ない気持ちがあふれてきます」などと、廃線を惜しむ最後の書き込みが寄せられた。
 ホームページは2001年に開設。地元の写真家佐々木滋さんのフォトギャラリーやグッズ販売コーナーを設けて、同鉄道の魅力を発信してきた。これまでのアクセス累計は約21万7000件。廃線が決定した昨年以降は、アクセス数が以前の8倍の1日約800件に達することもあった。
 掲示板への書き込み累計は約1000件。紅葉具合の紹介や、写真撮影時のクマへの注意を促したり、神岡町を離れた人が過去に乗車した思い出を懐かしむ書き込みなどがあった。廃線が近づいて同社の業務が多忙になり管理が難しいため、一足早く一部コーナーの閉鎖を決めた。
 鉄道には最近、週末で1日約500人、平日でも百数十人の乗客がある。31日も、沿線にはカメラを手に記念撮影する鉄道ファンらの姿が目立った。三重県桑名市から訪れた大久保晴子さん(60)は、奥飛騨温泉口駅に飾られたフォトコンテスト応募作品を見て「桜や雪の景色がきれい。もっと早く来ればよかった。ローカル線が大好きだが、だんだん寂しくなる」と感慨深げに話した。
 11月26日には、住民でつくる「神岡鉄道協力会」がラストサンデー感謝イベントを企画。30日は神岡鉄道がグランドフィナーレの式典を催す。

中日新聞 2006年11月1日]