津山線 脱線事故

脱線の津山線、昨年にも落石 防止柵なし

 十九日午前五時半ごろ、岡山市下牧のJR津山線玉柏-牧山駅間で、津山発岡山行き下り列車(二両、乗客二十五人)が脱線、横転した。JR西日本岡山支社などによると、運転士を含む二十六人のうち二十五人が負傷、二十-六十代の女性三人が腰を打つなどして入院。
 線路付近には縦三メートル、横六メートル、高さ二メートルなどの落石が複数あり、列車が通過した線路は約二十-三十メートルにわたり大きくゆがんでいた。線路沿いの山の岩盤が崩落したとみられる。JR西や岡山西署が事故の原因を調べており、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も調査官を派遣。
 同支社によると、男性運転士は事故当時、時速六十五-七十キロ出し「線路上にササのような植物が見え急ブレーキを掛けたが、車両が斜めに傾き脱線した」と話しているという。
 JR西によると、列車は運転士一人のワンマン。二両とも線路脇の斜面に寄り掛かるように大きく傾き横転した。落石は列車にはぶつかっていないもよう。
 岡山地方気象台によると、岡山市内は十八日午後から弱い雨が断続的に降っていた。
 列車は十九日四時二十九分に津山駅を出発、五時四十五分に岡山駅に着く予定の始発だった。JR津山線は全線運転を見合わせバスで代替輸送した。現場は岡山駅の北約十キロ。単線で旭川沿いに蛇行している。
 同区間では昨年二月、落石や土砂に列車が突っ込み、運転士がけがをした事故があった。JR西は落石防止の柵などの措置はとっていなかったという。

中国新聞 2006年11月19日]