神岡鉄道 再生が正式決定

神岡鉄道:再生、正式決定 観光メーンに不定期運行--飛騨市 /岐阜

三井金属、15億円寄付
 11月末で廃線となった第三セクター神岡鉄道(同市神岡町―富山・猪谷間19・9キロ)について、飛騨市は15日、同鉄道からレールなど資産を無償で譲り受け、筆頭株主三井金属鉱業会社(東京都)の寄付金約15億円を元に、観光や体験学習をメーンとした不定期運行の鉄道として再生すると正式発表した。1~1年半後に新会社を設立し、08年5月開業を目指す。
 再生鉄道は土、日曜の週2便程度運行し、北陸・関西方面へのアクセスのほか、過疎化の歯止め策としても期待。近郊の観光施設へ直接乗り入れ可能な魅力ある客車を導入する一方、東大のニュートリノ観測施設・スーパーカミオカンデや、計画中の青少年宇宙体験学習施設などを訪れる人の足にしたいという。
 三井金属の寄付金約15億円は、5億円を車両購入費や安全対策、当面の営業赤字を補てんする運営費などに、10億円を万が一事業が行き詰まった時に軌道を撤去する費用リスクの担保基金にする。寄付金に関する協定を来月末までに取り交わす予定。
 船坂勝美市長は「市税を投入せずに鉄道の再生が可能になった。鉄道の復活で町の元気を取り戻し、過疎に歯止めをかけるバネにしたい」と語った。

毎日新聞 2006年12月16日]