仙台市営地下鉄 脱線事故

回送の仙台市地下鉄脱線 早朝、7万人に影響 けが人なし

 18日午前6時15分ごろ、仙台市太白区富沢の市地下鉄引き込み線で、富沢車両基地から始発の富沢駅へ向かっていた車両(4両編成)の先頭と2両目の車両が脱線した。乗客は乗っておらず、運転士にけがはなかった。上下線全線が一時ストップし、通勤時間帯のダイヤは大幅に乱れた。脱線はポイント切り替え地点で起きたため、市交通局はポイント部を中心に原因を調べている。
 交通局によると、事故現場は高架橋で、車両基地から富沢駅に入る手前約200メートルのポイント切り替え地点。先頭車両の車輪8つと、2両目の前方の車輪4つの計12輪が脱輪した。
 車両はポイント地点で右方向の線路に進もうとしたが、脱輪した。脱線の衝撃で、レールの一部がゆがんだ。作業員は「断定できないが、ポイント切り替えがうまくいかなかった可能性が高い」と話した。
 交通局は「17日夜までに、車両やポイント部の異常は報告されていなかった」と説明している。
 事故直後、地下鉄は上下線全線の運転を停止。18日午前7時に富沢駅を除いた区間で折り返し運転を始め、午前7時45分ごろ、全線で運転を再開した。正午までに約7万2000人に影響があった。
 事故調査のため、基地の車両は使用できない状態で、運転車両数は通常の半分以下となり、10分前後の遅れが続いている。復旧作業は18日深夜までかかるという。
 市地下鉄では1992年、富沢車両基地内で富沢駅に向けて出発した車両が、緩いカーブのポイント地点で脱線した事故があった。

河北新報 2006年12月18日]