九州新幹線にN700系導入検討

九州新幹線に新型N700系 本州乗り入れ使用 JR九州 2011年導入検討

 2011年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開通に向け、JR九州は、新型車両の導入を検討していることが19日、分かった。新型車両はJR東海などが開発し、来夏から随時「のぞみ」に投入される「N700系」。九州新幹線の「つばめ」より時速40キロ速い最速300キロの能力があるため、博多‐鹿児島中央間などを当初計画(約1時間20分)より速く走行でき、九州の南北間が一層近くなりそうだ。
 JR九州によると、全線開通・相互乗り入れに向けて約90両を発注する計画。山陽新幹線に乗り入れる場合は8両1編成なので、予備車両も見込んで10編成程度が新設される見込み。投資規模は約270億円。
 JR九州は現在、JR西日本山陽新幹線と新大阪‐鹿児島中央間を相互乗り入れする方向で最終調整している。相互乗り入れには、車両のメンテナンスや緊急時の対応などの面からJR西日本と同じ車両を使うことが望ましく、今後の導入についてJR九州の石原進社長は「(つばめとは)違う車両になる可能性がある」としていた。
 一方、JR東海・西日本は来年夏から「700系」などの後継として新型の「N700系」を随時投入、主力車両にしていく方針。この流れを受け、JR九州も「N700系」導入を検討しているとみられる。
 JR九州は「つばめ」を最速260キロで走行しているが、スピードアップを図りたい、との考えを以前から持っていた。「N700系」の導入によって、博多‐鹿児島中央間をより速く走行できる。振動など沿線への影響を配慮しながら、高速化を目指す。
 ただ、「N700系」は16両1編成で普通席も1列5座席の設計。現在の「つばめ」や、現行ダイヤで相互乗り入れが想定されるJR西日本の「ひかりレールスター」(700系)の1列4座席とは違いがある。このため、導入を目指す車両は「N700系」をベースに、4座席8両タイプへの一部改良が必要とみられ、JR九州には経費負担増の課題も残る。

西日本新聞 2006年12月20日]