羽越線脱線事故から1年

10分刻み突風予測、運行判断に…JR東など研究着手

 死者5人、負傷者32人を出した山形県庄内町のJR羽越線特急脱線・転覆事故から、25日で1年。原因とされるダウンバーストや竜巻などの予測困難な突風対策が課題となる中、気象庁JR東日本は「ドップラーレーダー」を使った突風予測を運行判断に生かす研究を始める。
 風速計や防風柵は、地形から強く吹く場所を予測できる季節風などには有効だが、突風には決定力を欠くため、予測型の対策に着手した。
 気象庁は2007年度、ドップラーレーダーを活用して突風が吹く危険が高い地域を絞り込む「短時間予測情報」へ向けた検討をスタートさせる。突風の発生が予測される場所を10分刻みで1時間先まで予測する。レーダーの性能向上や情報技術(IT)の進歩で、鉄道事業者らへの情報提供が可能になったと判断した。

[読売新聞 2006年12月25日]