山陽・九州新幹線直通用 新型車両共同開発

JR九州・西日本 鹿児島中央‐新大阪乗り入れ 新型車両を共同開発 来年度試作

 JR九州は24日、2011年春の九州新幹線全線開通に合わせて実施する予定の山陽新幹線との相互乗り入れで、新型車両をJR西日本と共同開発することを明らかにした。08年度に「N700系」をベースにした試作車をつくり、走行試験を実施。これを踏まえ、09年度中に量産車をメーカーに発注する。
 東海道・山陽新幹線では7月から、最新の「N700系」が営業運転を始める。相互乗り入れでは、新大阪‐鹿児島中央間を8両編成で運行する計画で、16両が前提の「N700系」をそのまま使うのが技術的に難しい上、こう配が厳しい九州新幹線に合わせ動力を高めるためにモーター設置が必要となる。
 このため、現在両社で仕様について協議中だ。九州新幹線「つばめ」は「700系」をベースに設計されたが、相互乗り入れ車両も最新の「N700系」をベースにする。JR九州は全線開通までに新車両を100両ほど導入する予定で、開通前の試運転などを考慮すると、09年度中の量産車発注が必要となってくる。
 また、九州新幹線山陽新幹線では、どの地点を何キロで走行しているかなどを把握する運行システムに違いがありシステム改良でも協議を進めている。試作車試験に合わせ、改良に一定のめどを付ける考えだ。ほかの課題では、台風など緊急時の対応として、予備車両の増車や配置基地の確保がある。1時間に何本乗り入れするかも注目されており、JR九州は「1時間に1、2本になる」との見通しを示している。

西日本新聞 2007年5月25日]