余部鉄橋 ライトアップ

誤解しないで…余部鉄橋まだ健在 ライトアップでPR

 兵庫県香美町のJR山陰線・余部鉄橋を訪れる観光客が激減している。現在、コンクリート橋への架け替え工事が進められているが、工事開始とともに、すでに鉄橋が撤去されたと誤解されているのが原因とみられるという。町は地元住民と協力して、17、18の両日、鉄橋をライトアップし、余部鉄橋の存在感をアピールする。
 明治45年に完成した余部鉄橋は高さ41メートル、全長309メートル。現在も鉄橋の規模としては国内最大を誇る。しかし、日本海から吹き付ける潮風や雪などで老朽化が進み、コンクリート橋への架け替えが決まった。
 昨秋は、「現風景で見られる鉄橋は最後」と、大勢の観光客が訪れ、週末には鉄橋周辺に観光バスが列を作り、にぎわいを見せた。
 ところが、工事が始まった今年4月ごろから、観光バスやマイカーの観光客が減少。町の調査では、昨年10月は1日平均30台のバスが訪れたのに、今年5月の大型連休は1日平均7台に落ち込んだ。民宿の宿泊客も半減したという。
 観光客が激減した原因は、「すでに鉄橋は撤去された」と誤解する人が多いためとみられるが、コンクリート橋が完成するまで鉄橋は従来通り機能し、撤去が始まるのは平成22年度以降となる。
 このため、町は「情報不足」と判断。夏の帰省客が増加するお盆に合わせて、17、18の両日、午後7時半ごろから約2時間、鉄橋をライトアップすることにした。町観光商工課は「旅行業者にもアピールしたい。大勢の人に鉄橋の姿を見てほしい」と話している。

産経新聞 2007年8月13日]