ダイヤ改正

新横浜発N700系「ひかり」登場 小田急MSEも営業運転開始

 JRグループなど鉄道各社で新しいダイヤがスタートした15日、JR新横浜駅横浜市港北区)でN700系を使用した広島行き「ひかり393号」の出車式が行われた。昭和39年の東海道新幹線開業以来、同駅始発の定期列車は初めて。最新型のN700系が「のぞみ」ではなく、「ひかり」として走るのも初めてとなる。また、東京メトロ千代田線では小田急の新型ロマンスカー「MSE」が営業運転を始めた。

■首都圏と関西が“近く”なる
 15日午前6時、新横浜駅の新幹線ホーム。テープカットやくす玉割りといったセレモニーとともに小森常誉駅長の合図で「ひかり393号」が出発した。車体側面のドアを挟み「N700」のロゴの隣にある電光式の行き先表示器に初めて「ひかり」の文字が点灯した。
 同列車は小田原、静岡、名古屋、京都、新大阪、新神戸西明石、姫路、岡山、福山、広島の各駅に停車。新大阪着は午前8時15分、新神戸着は午前8時31分となる。
 新幹線は午前6時から深夜0時までしか運転が認められていないため、新横浜発ができたことで、品川を午前6時に出る博多行き「のぞみ99号」と比べて新大阪、新神戸とも到着時間が4分早くなった。すべての「のぞみ」「ひかり」が品川、新横浜駅に停車することと合わせ、今回のダイヤ改正で首都圏西部から関西方面に向かう利便性が大きく向上した。新幹線の停車本数は両駅とも1・5倍になる。
 また、ダイヤ改正を機にN700系を大量に投入。毎時2本ある東京-博多を結ぶ「のぞみ」のうち毎時1本を充てるなど計43本がN700系で運転することになり、新横浜駅での式典で「ひかり393号」を見送った松本正之JR東海社長は「大変評判のいい車両。出車するときの静かさ、スムーズさを見てあらためてその良さを認識した」と感慨深げ。
 松本社長は「新横浜始発は初めてなので『ひかり』にN700系を使うが、今後は『のぞみ』に優先して投入する」と話す。しかし、平成20年度末までにはN700系を70本以上に増発する計画なので、「のぞみ」に必要な特別料金(指定席のみ)を払わずともN700系に乗車できる機会は増えるかもしれない。

■8代目ロマンスカー、地下を走る
 東京メトロ北千住駅(東京都足立区)では、座席指定特急として初めて地下鉄を走る小田急の新型ロマンスカー「MSE」の一番列車発車式が行われた。
 東京メトロの梅崎壽社長は「小田急との共同プロジェクトで新たなサービスを加えることになった」とあいさつ。小田急大須賀頼彦社長は「ロマンスカーはMSEで8代目になるが、都心に乗り入れるのは初めて。新たな通勤の形や、箱根への新ルートが誕生した」と述べた。

産経新聞 2008年3月15日]