三木鉄道 盗難相次ぐ

“ワル鉄”暗躍? 廃線間近の三木鉄道で盗難相次ぐ

 兵庫県三木市第三セクター三木鉄道」が今月末で92年の歴史に幕を閉じる。廃線を惜しんで連日、鉄道ファンらで周辺がにぎわう一方、鉄道備品の盗難被害が相次いでいる。中には工具を使って車内プレートを取り外して盗む悪質なケースも。同社の斎藤浩鉄道部長(68)は「悪質な行為が続けば警察への被害届提出も検討したい」と話している。
 同鉄道は大正5(1916)年に一部区間が開業。現在は三木(三木市)-厄神(同県加古川市)間約6.6キロを結ぶ。昨年5月に廃止が正式決定された。同鉄道によると、その後カメラを手に乗車するファンが徐々に増加。休日の利用客数は約1600人と、それまでの6~7倍で推移。平日でも1000人を超える盛況ぶりだという。
 盗難被害は昨年秋ごろから確認されていたが、今月に入って目立ち始めた。車内前方に車両番号を表示したアクリル製プレート(縦3.5センチ、横22センチ)が工具を使ってはずされて盗まれたり、無人駅舎の鍵が壊されたりした。
 今月に入って盗難や器物損壊による被害を5件以上を確認。警備を強化しているが、職員が目を離したすきに車両外部に掲示した行き先案内プレートを素早くはずして盗んだと思われるケースもあったという。
 また、カメラを持った一部のファンによる線路内の立ち入りなども目立ち、関係者を悩ませている。
 利用者数は増加の一途をたどっており、斎藤部長は「マナーを守り、心ない行為で三木鉄道の最後を乱さないでほしい」と話している。

産経新聞 2008年3月19日]