阪神 近鉄奈良線で試運転

阪神電鉄>一足早く「阪神近鉄」並ぶ 近鉄奈良線の坂道で試運転

 来春の阪神なんば線(西九条-近鉄難波)開通と同時に、近鉄との相互直通運転を予定している阪神電鉄は20日、近鉄奈良線内で直通運転用車両の試運転を始めた。阪神近鉄の線路はまだつながっていないが、一足早く両社の車両が同じ線を走る光景が見られた。
 試運転は、生駒山の急坂を下る際のブレーキ性能を確認するのが目的。近鉄奈良線には、距離1キロ当たり30メートル高度が上がる関西で屈指の険しい坂があり、下り坂で速度を一定に保つ特殊なブレーキが必要。阪神は直通運転に備えた新型車両に初めて特殊ブレーキを採用したが、平地の多い阪神線内では性能を試せないため、奈良線を使うことになった。車両は事前にトレーラーで陸送した。この日は近鉄の運転士が阪神車両に乗り込み、東花園-東生駒駅間の往復を繰り返した。関係者は「本運転に向け自信を深めた」と話した。
 阪神なんば線は、大阪市などが出資する西大阪高速鉄道が建設し、阪神が線路を借りて運行する地下新線。開業後は三宮-近鉄奈良間を直通運転する。

毎日新聞 2008年5月21日]