安全研究所を開所

JR西、安全研究所が開所 尼崎脱線事故の教訓後世に

 尼崎JR脱線事故を受け、JR西日本大阪市阿倍野区の同社大阪支社内に安全研究所を設け、二十五日、開所式を行った。ヒューマンエラー(人為ミス)を研究し、事故防止に役立てる。

人為ミス背景研究へ
 所長には、財団法人鉄道総合技術研究所(東京都)前理事の白取健治氏(58)が就任。所長を含めスタッフは二十五人で、八人は大学やJR四国などの社外から招き、十七人は同社鉄道本部を中心に各部署から選抜した。
 研究所内に安全マネジメント研究室、ヒューマンファクター研究室、保安システム研究室、企画グループを置き、具体的な調査、研究内容は今後検討していく。
 大阪支社で開かれた開所式では、尼崎脱線事故の犠牲者に新所員らが黙とうをささげた後、山崎正夫社長が訓示。「安全対策としてヒューマンエラーの研究が足りなかった。この研究所をヒューマンエラー研究における関西の一大拠点に育て上げていきたい」と話した。また、白取所長も「脱線事故の被害者の苦しみを忘れず、全力を尽くしたい」と述べた。
 社内に安全研究所を持つ鉄道会社はまれで、JRグループ内ではJR東日本東中野駅での衝突事故をきっかけに一九八九年に設立している。

神戸新聞 2006年6月26日]