東北地方 大荒れ

“師走の嵐”東北大荒れ 住宅損壊や交通混乱

 発達した低気圧が太平洋沿岸を北上した影響で東北地方は27日、大荒れの天候となった。暴風や大雨など冬の嵐に見舞われ、山形県内で死傷者が出たほか、住宅の損壊や停電、交通機関の混乱など被害が広がった。
 風は沿岸部を中心に強まり、最大瞬間風速は八戸34.3メートル、石巻34.2メートル、白河31.9メートル、仙台29.0メートルなどを観測した。
 降り始めから午後6時までの雨量は宮古で246ミリと、平年の月間雨量(39.9ミリ)を大幅に上回り、八戸126ミリ(平年月間41.7ミリ)、仙台81ミリ(同26.4ミリ)など、各地で12月としては記録的な大雨となった。
 尾花沢市では、住宅の配線工事用に設置されたアルミ製のはしごが風で倒れ、近くを歩いていた無職男性(66)に当たり、男性が転倒して首などに軽いけがをした。
 河川増水に伴い久慈市岩手県普代村、野田村は計170世帯455人に避難を勧告。宮古市から八戸市にかけた地域では、住宅など20棟以上が床上浸水した。気仙沼市宮城県南三陸町では漁船2隻が転覆し、角田、登米市などでビニールハウスが破損した。
 東北電力によると、各県での停電は計5万戸以上。このうち約4万戸はいわき市小名浜で発生した。岩手県でも倒木などの影響で、10市町村の約4100戸が停電した。
 鉄道は、秋田新幹線が一部区間を含め上下7本が運休。東北、山形新幹線を合わせ30本以上が最大2時間半余り遅れた。在来線は6県のほぼ全線で夜遅くまでダイヤが乱れ、200本以上が運休した。
 山田線の磯鶏―津軽石間、八戸線の侍浜―陸中夏井間では路盤が流失。復旧には数日かかる見通しで、28日は始発から宮古―釜石間、鮫―久慈間で運転を見合わせる。
 青森空港発着の国際、国内線計16便、青森、八戸港発着のフェリーなど18便が欠航した。各地の幹線道路も冠水や土砂崩れで通行止めが相次いだ。

河北新報 2006年12月28日]