くりでん 31日に廃止

くりでんラストラン盛大に 企画多彩

 宮城県北の第三セクターくりはら田園鉄道栗原市、くりでん)が廃線を迎える31日まで、残り2週間を切った。「ラストラン」の盛り上がりを受け、鉄道本社や沿線でさまざまな企画が始まっている。

<記念ヘッドマーク
 列車は16日から、記念の特別ヘッドマークを付けて運行している。黄色地のプレートに「90年間ありがとうございました 2007.3.31 くりはら田園鉄道(株)」とのメッセージが記されている。31日の廃線当日まで列車の前後を飾る。
 記念ヘッドマークは、廃線を迎える列車で慣例になっており、鉄道愛好家から取り付けの要望が多く寄せられていたという。取り付けの翌日は土曜日で乗降客は普段の倍以上。乗客たちはさっそく写真やビデオカメラに収めていた。

<臨時券売所開設>
 始発の無人駅・石越駅に17日から臨時券売所が開設された。土・日曜日と休日に限り午前9時半から午後2時半まで、27日以降は廃線日まで毎日設ける。絵はがきや硬券セットといったグッズも販売する。
 有人駅は若柳、沢辺、栗駒の3駅だけで、石越からの乗客は降車時に現金精算しなければならない。石越からの記念乗車が急増し、車内精算手続きによってダイヤに影響が出始めたほか、有人駅で買える硬券が欲しいとの声もあり、乗車前に硬券を買える券売所を設置した。
 臨時券売所では切符の券番号がゼロから始まるため、17日の発売開始時には、愛好家が記念に「0001」番の券を買い求める姿もあった。

<22日に寸劇披露>
 くりでんの最後を盛り上げようと、地元若柳小の3年生75人が22日に、若柳駅で記念の歌や寸劇を披露する。
 若柳小の3年生は昨年11月の学芸会で、総合学習で学んだくりでんの歴史や現状をもとに、歌や寸劇の創作ステージ「くりでんのうた」を発表した。歌詞に「大好きだよ くりでん」といった言葉を折り込み、沿線16駅の歴史を寸劇で表現。学校内外で高く評価され、ぜひもう一度見たいといった声も出たため、今回の発表となった。
 学芸会よりも上演時間は短いが、新たな演出もある特別版。若柳駅長へ感謝の言葉も贈る。発表は22日午前11時15分ごろから15分程度の予定。

河北新報 2007年3月20日]