JR北海道 ハイブリッド車両公開

JR北海道>MA式ハイブリッド車両を公開 

 JR北海道が世界で初めて開発した「モーター・アシスト(MA)式ハイブリッド車両」が23日、報道関係者に公開された。ディーゼルエンジンに補助動力の電動モーターを組み合わせた動力システムを持ち、発車時はモーターだけで、時速45キロを超えるとディーゼルエンジンが自動的に始動して加速する。従来の気動車に比べて燃費が15~20%改善されるといい、試験走行を経て3年以内の実用化を目指す。
 北海道新幹線が部分開業する2015年に、新函館(仮称)-札幌駅間の在来線に投入する計画。
 MA式ハイブリッド車両は気動車にバッテリーと整流器、モーター、歯車式の変速機を新たに搭載して、エンジンとモーターのどちらでも走行出来るようにした。線路の傾斜など、条件によってはエンジンとモーターを同時に駆動させて、よりスムーズな走行が可能という。モーター併用でエンジンも小型化した。
 モーターは発電機を兼ねており、エンジン走行中はブレーキをかけた際に生じるエネルギーを電力に変えて内臓バッテリーに蓄積し再利用する。モーターとガソリンエンジンを組み合わせた乗用車は既に実用化されているが、駆動用モーターと発電機は別になっている。MA式はモーター1台で駆動と発電両方の役目を果たすのが特徴だ。
 同社は02年にプロジェクトチームを作り、05年からMA式ハイブリッド車両の開発に取り組んでいた。JR東日本も既にエンジンで発電機を回し、モーターを駆動する仕組みのハイブリッド車両(シリーズ・ハイブリッド)を開発している。東日本のシステムについて、JR北海道は「エンジンやバッテリーなどは東日本の装置の半分ほどに小型化出来た」と説明している。

毎日新聞 2007年10月24日]