新幹線栗東駅 正式に中止

期限切れで中止確定 栗東新駅促進協総会

 滋賀県栗東市の新幹線新駅問題を協議する駅設置促進協議会の総会が28日、大津市内で開かれ、会長の嘉田由紀子知事が正副会長会議で新駅「中止」に合意できなかったことを報告し、新駅計画が自動的に終了することが確定した。促進協の委員からは、嘉田知事の責任を追及する声があった一方、「新駅事業そのものに無理があった」と中止を歓迎する委員もいた。
 総会では、三浦治雄県議(栗東市選出)が嘉田知事に対し「中止すれば県民の不利益になると知りながら、マニフェストのつじつまを合わせようとしている」と指摘した上で、「知事の対話路線は0点だ」と批判した。
 また、野村昌弘栗東市議は「知事が中止後にどういうまちづくりをするか見えてこない。市民にどう説明したらいいのか」と声を荒らげ、生田邦夫県議(湖南市選出)は昨年の知事選で嘉田知事が当選したことを引き合いに「勝てば官軍だ」と皮肉を漏らした。
 これに対し、嘉田知事は「なぜ新駅の必要性や効果について県民に浸透できなかったのか。多くの県民は(必要性などを)疑問に思っていた」と強い口調で反論した。
 沢田享子県議(大津市選出)は、大津市が促進協の脱会を表明したことや甲賀市が負担金の減額を求めたことを挙げ「本当に素晴らしい事業なら、こんな問題は発生しなかった。無理に事業を進める恐ろしさが知事選の結果で出た」と話した。
 総会後、国松正一栗東市長は「こうなった以上、(推進のための)手だては見当たらない」と話した。委員の1人で県商工会議所連合会の宮崎君武会長は、「時間切れで中止となることはやむを得ないが、新駅の灯は消したくない」と述べた。
 促進協については、「課題の方向性が見えるまで存続させる」(嘉田知事)としており、この日の総会では次期総会までの会長に嘉田知事、副会長に国松市長ら関係六市の市長を再任した。

京都新聞 2007年10月28日]