阪急 優先座席復活

阪急で8年半ぶりに優先座席が復活

 「全席が優先座席」という考え方で、8年半前に電車内から優先座席を撤廃していた阪急電鉄は29日、始発から全車両に優先座席を復活させた。梅田駅では復活を周知するキャンペーンが行われ、駅係員ら10人が通勤通学客にチラシ2500枚を配った。
 阪急は平成11年4月、「どの席も譲り合ってほしい」として、全国で初めて優先座席を撤廃。しかし、高齢者を中心に不満が相次いだため、8年半ぶりに元に戻すことにしていた。これで「全席優先」を掲げるのは、阪急の取り組みを参考に15年12月から導入した横浜市営地下鉄のみになった。
 復活初日の利用客の反応はさまざま。京都市内のパートの女性(67)は「今の車内マナーでは、復活もやむを得ない。いっそ女性専用車両のような優先車両を設けた方が効果的」。大阪市内の高校1年、大江奈津美さん(16)は「声をかけて席を譲るのは緊張するし勇気もいる。優先座席があると初めから座らないのでいいと思う」と話した。

産経新聞 2007年10月29日]